6月6日 雨ざーざー降っても来ず、三角定規にヒビも入らず。梅雨直前とは思えない 気持の良い青空が広がっている 今日の東京です。貴方のところはいかがですか。


 先週お知らせしました、朗読。無事終わりました。
小さな劇場にぎっしり超満員のお客様、立ち見のかたも多かったと聞きました。酸欠ギューギューな思いをさせてしまってごめんなさい。お足元の悪い中、お越し下さいましたかたには 心から御礼を申し上げます。

朗読だけで約45分。オープニングとエンディング以外は一切のBGMも効果音も無し。
単調で退屈されるかたもいらっしゃるのでは...と危惧しましたが。
しわぶき一つ立てるのも憚られるほど、固唾を呑んで真剣に聴いてくださっているのが、サスの光の中に居て痛いように感じられます。
皆の気と共に、手紙の登場人物の二人の気配が そこに宿っている気がしました。
手紙の中へ 自然に 入っていきました。

入り込み...過ぎました。

後半、朗読しながら一滴、雫が落ちてしまったその後は、とどまるところを知らず。目からだけで済んでいれば まだよいものを、洟水も二筋の粘着質な流れとなって止まらず、ハンカチでそっと拭えば 納豆のように鼻から糸引く始末。最前列や真横からご覧になっていたかたには、噴飯物だったと思います。あーぁ恥ずかし。

舞台の袖に引っ込んだ後、「え。泣いていたんですか。声が全く涙声になっていませんでしたよ。わかりませんでした」と、出番待ちのDJアーチには言われましたが、ほんとうに。みっともないったらありゃしな
い。
もっとも、袖の中で聴き入っていてくれていて一緒に泣いてしまったと彼も目を真っ赤にしていましたが。
もっと冷静になるほうがいいのか、表現は過多にはならぬよう、でも本人の代わりに語る霊媒師の如くあるのがいいのか。前者に決まっているけれど、今後の大命題であります。

パーソナリティーカレッジの生徒や事務所のスクール生、後輩達も多数聴きに来てくれていたのですが、まさに反面教師を地でいってみました。

最後の章のみ、音楽に当てるため直前に5回リハーサルしたのですが、たった1ページを読むのに、その5回全て 涙する女。
パブロフの犬状態です。

そこにあるのは まごうことのない現実。大上段の正義や主義主張やらなど 何もない。一人の人として 粉飾も外連も衒いもなく、ストレートに表現された愛情と哀しみと怒りと喜びと優しさと。
そんな言葉達の前には どんな脚色も演出も要らない。

私は ただ淡々と読むだけでした。
途中、会場のあちこちから聞こえ出す すすり泣きから次第に変わる嗚咽が さらなる連鎖反応を引き起こし。
ここはどこの葬儀会場なのやら。まったく 前座の前座なのに 失礼いたしました。

その後のドタバタショートコントとアーチの最高の一人芝居が、笑いや爽やかな感動を呼んでくれて有り難かったです。

今後、この朗読を全国いろいろな機会、場所でやっていってねと要請する我が事務所の押し出し強い社長、
「ティッシュメーカーのタイアップをつけよう」などと冗句。

今のところ、8月に富山で朗読会をおこなうことが決まっています。詳細が決定しましたら またお知らせしますね。

その前に、今年でもう6年目、11回目を数える演劇「飛行機雲」の公演があります。
場所は昨年と同じ、新宿シアターサンモール。8月10日から14日まで全8回。
今回は坂本光太郎がダブルキャストで、演出もガラリと変わります。
初めてのかたも御常連のかたも 何かを感じに よかったら足を運んでみてください。

感じる。涙する。
これ、心身の浄化作用としても はなはだ重要...ですよね?