9b39a8d2.jpg オマヌケ珍道中で綴ってきました上海の旅ですが、今回はじっくりと エスコートいただいた谷村さんのことを。

私の世代にはまさに憧れのスーパースター。アリスのハンド・イン・ハンドコンサートに通い、夢中になって聴いたセイヤングではソフトなお声でHなお話を。本当にほんとうに 大好きでした。
そんな谷村さんが、アーティストとしてだけでなく、日中の大きな架け橋としての役割を担い、行動されている姿に触れる 貴重な機会を今回は頂戴したのです。

1980年に「昴」がアジアで大ヒット、81年アリスで日本人として初の大きなコンサートを北京の工人体育館でおこない、84年から本格的にアジアへの活動を開始、2002年には日中国交正常化30周年コンサートのプロデュースを中国政府から依頼され、浜崎あゆみらを連れ御本人も参加アーティスト&プロデューサーとして日中双方のアーティスト達に声をかけ企画、実現したコンサートには45,000人もの中国の方々が集まりました。

中国との関係がどんどん深くなる中、中国政府からの上海の音楽学院現代音楽部の学部長として迎えたいという申し出に応え、上海と日本を行き来しながら今、2年目の指導をされています。

私たちが拝見したのは 9月からの新学期に、これからどんな授業をおこなっていくか、ガイダンスとも言うべき講義。
上海の音楽学院は、中国全土から優秀な生徒が集まってくる国立の音楽大学です。
素晴らしいキャンパスを、谷村さんの片腕とも言うべきスタッフの王(わん)さんが案内して下さり、あちこち見学した後、いよいよ教室へ。講義の前半では生徒達に詩を書いてもらい、それを発表する場面が終わったところのようでした。
教壇に立つ谷村さんの横では上海出身の22才の精鋭スタッフ、史・ピンノ君が通訳をしています。

「みんな知ってる?水に良い音楽を聴かせると、分子配列もきちんと整って、とても美味しい味になるんだよ。でも、騒音のような音をずっと聴かせると、分子もぐしゃぐしゃなとても不味い味になる。人間の身体は大部分何で出来ている?そう、水だよね。だから、良い音楽を届けることは 人の身体も心も素晴らしい形につくっていくんだ。」

そのような主旨のことを 一言ずつ、噛んで含めるように優しく話してくれる谷村さん。時に笑いに包まれながら、学生達は実に真剣に谷村先生の言葉に耳を傾けています。

講義が終わった後、数人の生徒にインタビューさせてもらいました。「音楽プロデューサー」「アジアトップのマネージャーに」「作曲家」「谷村さんのようなアーティストに」それぞれが大きな夢を持ち、その夢に向かって頑張っている日々です。半日感情についても聴いてみました。肯定も否定もしなかった彼ら。でも、「音楽を通じて両国の良い関係をつくっていきたい」と答えた一人が居て うんうんと頷く私。

『中国での新しい音楽、本当の音楽を作っていくお手伝いをすること。それがひいては日本と中国に大きな橋を架けることになり、そしてその橋をたくさんの人が普通に渡っていけるようにすることが、自分の役目だと思っています。』
谷村新司さんは御自身の公式サイトでもこのように述べていらっしゃいますが、上海での授業を実際に拝見してその思いを全身に感じ、痺れるように感動したのでした。

その感動の余韻そのままに2日目の夜は上海の最もトレンディなスポット、新天地のレストランで食事、その後、ライブハウス「ARK」で中国の新進アーティストのライブを聴き、さらにカフェバーで谷村さんの思いをインタビューさせてもらい。夢のような時間は ゆっくり はやく 過ぎていくのでした。
あぁ 時間よ。止まってくれたらいいのに。

インターネット放送で、谷村さんの この上海での夜に伺った言葉を丸々聴いていただけます。
http://www.miraiclub.com/houso/houso.html
このページから10月6日放送分を一括ダウンロード、23分めあたりから 是非どうぞ。
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 小雨の降る中、本日ついに 小泉首相が靖国参拝を決行。
日本人として 心ある人間として。戦争で大事な命を散らせた御霊に手を合わせることに なんの意義を唱えるものではありません。
ただ、今 このとても微妙な中国や韓国と日本の関係に与える影響の大きさにも 心痛めてしまう 雨の夕暮れです。