先週、東京某所でおこなわれたシークレット・ライブに行った。
公私ともに親しい歌手・沢田知可子が歌うということで、ご近所繋がりの嘉門達夫と一緒に冷やかしにいってやろう...と、どういう主旨のパーティーなのかも知らず、ぽこぽこと出かけていった。サワチカの素晴らしい歌唱と楽曲の歌詞の持つパワーに圧倒され、涙し。そうして遅ればせに理解することになる。
この会はスリランカゆかりの人々が集まり、飲み食いした会費をスマトラ沖地震による大津波で被災したスリランカの復興支援に役立てる義援金に充てようというチャリティーだったのだ。
なんにも知らないでそこに居るなんて、なんておバカ。でも、おかげで、テレビ画面の中のことだった彼の地の惨状、現状を参加の方々の口から、カメラマンの写真から知った。

紅茶の産地として有名なセイロンから、1972年新憲法公布で新たな名となったインド洋に浮かぶ島スリランカ。 この国名には「光り輝く島」という意味がある。世界中から観光客が訪れる美しい国。
たまたま現地を訪れていて災害に遭遇し、そのまま残って緊急援助活動をおこなってきたNGO「ケア・ジャパン」の野口千歳さんがスライドを使って説明してくれる。
その画面を食い入るように見つめ、話に耳を傾ける一同。言葉も無い。
ただ一口に復興支援と言っても、なんと難しいことなのか。
ヘリコプターから救援物資を投げ捨てるように落としていくことが、支援なのか。
また、物資の供給だけでなく、これから現地の人々が生活を立て直していくための産業の復興や心理面での支えなど、長期的総合的な支援こそが必要なのも想像される。

ふと一昨年訪れたパラオでの言葉を思い出す。日本統治時代に憶えた日本語を、今も上手に操る現地の老婦人から聴かされた話だ。
「日本は学校をつくり、畑を耕し、産業を残してくれた。自分達で生活する方法を教えてくれた。でもその後に来たアメリカはハンバーガーを売っただけだ。どっちに私たちが感謝しているかはわかるだろう」と。
私たち取材スタッフが、日本人だからこそのリップサービス...だけではないだろう。



沢田知可子の新曲は「美しい国」というタイトルだ。明治の女詩人・永瀬清子の詩に曲をつけ歌にしたという。
詩「美しい国」に描かれているのは 戦争直後の荒廃した日本の国土で 心の灯火を今こそ燃やしていこうという 決意と喜びの気持だ。
今の時代を生き抜く大切なメッセージに溢れていることに、あらためて驚かされる。
日本も スリランカも イラクも。世界中のすべての国々が 美しい国であるために、今できること。今するべきこと。
それはいったい何なのだろう。


***
2月10日放送の 小川がパーソナリティーを務める「フォー・ユー・未来倶楽部」
で、「美しい国」披露します。
この番組はインターネット放送で向こう4週間いつでも聴けます。
どうぞお楽しみに。