2bafbf6b.jpg 本当に素晴らしいドキュメンタリー映画を 新宿のレイトショーで観た。

横浜の街にずっと立ち続けた女性、メリーさんを追った「ヨコハマ・メリー」

シンガーの日野美歌嬢と先日、みなとみらいのスパ施設で温泉三昧をした後に、彼女の行きつけのハマの居酒屋で飲んだ。その時、熱弁ふるわれ絶対観たほうが良い!と熱き推薦を受けた映画である。早速、翌々日の夜、勇んで観に行ったのだった。

http://www.yokohamamary.com/yokohamamary.com/
 歌舞伎役者のように顔を白く塗り、貴族のような真っ白なドレスに身を包んだ老婆が、ひっそりと横浜の街角に立っていた。
本名も年齢すらも明かさず、戦後50年間、娼婦としての生き方を貫いたひとりの女。かつて絶世の美人娼婦として名を馳せた、その人の気品ある立ち振る舞いは、いつしか横浜の街の風景の一部ともなっていた。“ハマのメリーさん”人々は彼女をそう呼んだ。
1995年冬、メリーさんが忽然と姿を消した。
自分からは何も語ろうとしなかった彼女を置き去りにしてして、膨らんでいく噂話。いつのまにかメリーさんは都市伝説のヒロインとなっていた。そんなメリーさんを温かく見守り続けていた人達もいた。病に侵され、余命いくばくもないシャンソン歌手・永登元次郎さんもその一人。消えてしまったメリーさんとの想い出を語るうちに、元次郎さんはあるひとつの思いを募らせていく。
もう一度、メリーさんに会いたい。
そして、彼女の前で歌いたい.....。(HPより)

 映画は 5年という歳月をかけて様々な人々にインタビューを試み、実にいろんな立場の人々が 彼女について語る形で綴られていく。
フラッシュで挿入されるのは写真家・森日出夫が写し出したメリーさんの写真、彼女の人生を独り芝居で演じる女優・五大路子の演技。メリーさんが立っていた目の前の店の女将、メリーさんが利用していたクリーニング店や美容院の経営者...なかでも、経済的援助もしていたというシャンソン歌手・元次郎さんの言葉、歌、生き方、行動は 凄まじいほどに清らかで。

最後は メリーさんと それを見守る元次郎さんの姿に 自分の老親の姿が重なり、嗚咽してしまった。

メリーさんという人物を通して すべての人が「生きていく」ということの根本的な営みの美醜、賢愚、喜び、哀しみが 顕わに表現されていく。

映像が美しい。
編集が素晴らしい。

通常、どんなに誹りを受けるであろう営みも 清々しいほどに美しく感じてしまう。
この世に 必然無しに生まれる命も 生きている命もないのだなと気付かせてくれる。
愚かでも 老いても 醜くても 孤独でも やがて哀しくとも。
気高く 自分の信じた道を生きる。
Life is Beautiful.... 生きるって素晴らしい。

東京は毎晩21:20からスタートのレイトショーだけだけど、6月30日で終わってしまう。
大阪、神戸、名古屋などでも 同様に上映しているようだ。
観てみて。
絶対に 生きることの意味を 痛切に感じるはず。
あぁ 今 思い返しても 涙。

映画にも登場した作家・山崎洋子さんの著書「天使はブルースを歌う〜横浜アウトサイド・ストーリー」(毎日新聞社刊1700円)を 現在、読んでいる。
この本もイイ。

自分はもっと 自分の住んでいる土地での出来事、人、ストーリーを知っていくべきであるなぁ。   

美歌ちゃん いいもの教えてくれて ありがとね。

あ。彼女のHPでの記述こそ 胸を打つよ。
こちらも読んでみてみて。
http://www.sakura-cafe.com/diary/diary_0606.html#01