12月16日の日曜日、横浜山下公園へ行ってきました。

「面白い独り芝居があるから、観に行かない?」と誘われて。
横浜人形の家 4F あかいくつ劇場。そこに展開したのは いやぁ、芝居の概念を覆す、なんと面白い世界でありました。
7378a9d2.jpg楠美津香(くすのき・みつか)さん演じる『ひとりシェイクスピア リア王』。たった独りで演じるどころか、このリア王、400年前に書かれた シュイクスピアの四大悲劇の一つはいいが、超難解にして複雑怪奇な人間関係、話の展開。それを「超訳」と称して噛みくだき、わかりやすく、雑駁に大衆的に届けてくれたんだ。

すごいよ。舌を巻いてしまった。

作務衣を着て一言も発せず舞台の登場の彼女、ホワイトボードにマジック握って、やおら リア王に登場する人間の相関図を書き出すところから この芝居は始まるんです。
関係と各人の人柄をまず説明してくれるの。おぉ、わかりやすい。
だってさ。リア王って、王の三人娘はじめ 中心人物だけで12人も登場する話よ。それを独りで演じ分けるわけですよ。各人の性格、性癖、キャラの一つ一つを浮き立たせ、今風の言葉で、本人曰く「内容は原作に忠実に、でも ”格調” は全面的にカット」!

講談のような落語のような、はたまたコントのような、スタンドアップ・コメディのような。

怒濤の早口でマシンガンのように繰り出される台詞はテンポ良く、そして時事を風刺し、胸をすく小気味よさ。
「よっ!男前♪かっこいいよぉ〜!」と大向こうから声をかけたくなる。

なんでも楠美津香さん、「ロンリー・シェイクスピア ドラマ スターウォーズ計画」を実践中。これはシェイクスピアの書いた全戯曲38作品を、全部、独りで演じるというプロジェクト。2000年から10年かけて続けるという。今風に訳した脚本も 全部ひとりで書いている。今回が23作品め。あぁ、観てこなかった自分がバカだったよ。

明けて2008年は2月2日、20日、3月8日と矢継ぎ早に「冬物語」「ベニスの商人」「ジュリアス・シーザー」と続く。北千住だったり東神奈川だったり、会場は関東のあちこちなんで、興味のあるかたは彼女の公式ブログをチェックしてみて。
http://gedo329.blog81.fc2.com/

あぁ、おもしろい。
 世の中、天才と呼びたいパワフルな人間が居るんだな。