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いえね。もっと早くにこの話 書こうと思っていたんですけど。
上海に行ったんで、そっちのほうが先になっちゃいまして。

遅ればせながらの報告です。11月14日の水曜日。私は南極観測船に乗ってまいりました。この日、晴海埠頭から南極へ向けて最後の出航をする「しらせ」を 見送りに行ったのです。
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ご存じでした?

お見送りの前に 実際に船に乗って、誰でも自由に 中を見学できるってこと。

知〜らんかった、知らんかった。

お誘いいただいたのは、毎年毎回、見送りにいらっしゃっている秋田県にかほ市(旧・金浦町)の皆さん。そう、日本人初の南極探検隊隊長・白瀬 ノブ生誕の地、金浦の人々です。(詳しくは小川の拙著「ハートにじゅっ!」を参照♪)

初の体験の私は、ウキウキと船のあちこちを探検♪
fe852f93.jpg(甲板に『砕氷艦しらせ1982』と刻印された鐘を発見!)操舵室の船長席に座ってみたり、会議室やら通路に設置してある神棚に手を合わせたり、甲板からレインボーブリッジを眺めたり。
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(船長さまの席には赤い立派なカバーがかけられていました。そこに座っていいのか?!オガワ!)

快晴に恵まれたこの日、船上のあちこちでは出発する隊員とそのご家族の別れのシーンが繰り広げられ、ちょっともらい泣きしそうになってもみたり。

そうして見送りの方々は船を下りてくださいというアナウンスが流れ、セレモニーが執り行われたあと、色とりどりの紙テープが舞う中、静かに静かに船は岸壁を離れていったのでした。
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それまで にこやかに手を振っていた船上の隊員の方々が、ある瞬間、一斉に整列、見送りの人々へ敬礼したまま遠ざかっていくのです。その姿を見つめていると まるで戦地へ赴く兵士を見送るようで、なんとも せつない気持ちになりました。
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本当に。戦争へ送り出していた あの時代の人々の哀しみを疑似体験する思いです。そうじゃない現代に なんとなく...  心から 感謝。


実は。秋田県金浦の皆さん、白瀬ノブを地元の英雄として心から愛し、彼の名前が冠されている南極観測船が、次の新しい船にバトンタッチされても「しらせ」の名前を残していこうと、ずっと運動を続けていらっしゃったのですが。お見送りのこの日の朝、なんと嬉しいニュースが報道されました。

次期 南極観測船の名も「しらせ」に決定したのです!

おめでとうございます。熱い思いは 氷山も溶かすのね。

南極の氷は 溶けないように、地球温暖化阻止を皆で考え努めつつ、まずは南の極地へエールを送ります。

自衛隊員、観測隊員の皆様、がんばってください。