0a851c8a.jpg 現地時間の2月10日、第50回グラミー賞授賞式が行われました。

今回はイギリスの元気娘、エイミー・ワインハウスの一人勝ちでしたが、中でも名誉ある「年間最優秀アルバム」は、ハービー・ハンコックの「River:ジョニ・ミッチェルへのオマージュ」が選ばれて ジャズファンとして感激。

ジャズがこの賞を獲るなんて過去1回だけで、とっても珍しいことだから。授賞式で 思わず言葉につまるハービーの姿に、ちょっと もらい泣きしそうでした。

さらに、今回の注目は「最優秀朗読アルバム」。大統領選で優位に戦っている民主党のオバマ上院議員が受賞したのです。

黒人初の米大統領を目指す彼が、いったい何を朗読したのか。

自身の政策論をまとめた著書「合衆国再生−大いなる希望を抱いて」の朗読アルバムですって。

なにしろ、全部で108も部門があるグラミー賞ですけどさ。

政策を読み上げたもんが 賞を獲っちゃっていいんだろうか?!

 オバマ氏は2006年にも自伝の朗読アルバムで同賞を獲得したそうですが、今回の受賞は 米大統領選の民主党候補指名争いのまっ最中。
ライバルのヒラリー・クリントン上院議員の夫であるボブ・クリントン前大統領は 2005年に自伝で最優秀朗読アルバム賞を受賞しているし、ヒラリー女史もファーストレディー時代の1997年にこの賞をもらっています。

なんかさ。なんでもありだね、グラミー賞。

でも、この108もに細分化されたグラミー各部門賞、ケースのデザインから少数民族の音楽まで、本当に多岐にわたったノミネーションは、なるべく開かれたアメリカを誇示しようという意図も見え隠れするから面白い。

ここにきて、民主党の指名争いも がぜんオバマさんリードとニュースでは伝えていますが、もしも彼が黒人初の大統領となったとき。血生臭い事件が起きたりしないよう、実は保守的で変化を嫌うアメリカという国の。底の部分が出てこないでほしいなぁと 思ってしまうのでした。