b1075933.jpg と、美術鑑賞で 身も心も豊かな気分になったところで、チャゲさんの「大友直人Produce POPULAR WEEK」コンサートへと向かったのだった。

クラシックの殿堂である東京文化会館の小ホールにて、年に一度のポップスコンサート週間、その第一夜を我らがチャゲさんが飾るのだ。まさに、極上の音楽世界に酔いしれるの巻。

ホールに入ると、とても天井が高いことに驚く。この高さゆえか、観客の拍手が心地よく響くのを後で実感。さすがね。ステージを中心に半円形に並ぶ席は およそ600。限られた空間であるだけに、チケットは数分でソールドアウト、ここに集っているのは選ばれし幸運なオーディエンス達。いつものライブより ちょっとおすましモードで登場を待ちわびている感じ。

 プロデュースしたクラシック指揮者の大友直人さんがまずご挨拶。ウエーブした長髪、長い足、スラッとした姿は まさに貴公子。ジェントリーねぇ。昔、ヤマハのポップコンで初期のチャゲアスのバックで指揮、実はチャゲさんと共演したこともあるんです...なんて意外なエピソードも披露、場内を和ませてくれる。

 そして。コンサートが始まった。

送り出される曲の数々はチャゲアス、マルチマックス、ソロ...と全てチャゲさんの世界。
この30年 チャゲさんが紡ぎ出し、送り続けてきた音楽のエキスを、ギターとウッドベースというシンプルこの上ない編成で表現していく。

二曲目「ボクラのカケラ」は深夜番組CHAGEのDAYBREAK TIMEのテーマ曲だけど、この編成だと全然別な曲みたいだ。

シンプルになればなるほど、日本酒で言えば大吟醸。米の精米歩合が増す。73%を捨て、27%まで磨かれた今夜の演奏は まさに米のダイアモンドたる「米の芯」で醸した酒。馥郁と香り立つ吟醸香に この酒、旨くないわけがない。

どんな大仕掛けが登場するのかと興味津々、新たな扉を開ければ そこには たった一つ。大事な真ん中の部分。真理が存在している。そんな感じ。


楽曲の合間合間、一曲ずつギターを変えて演奏していくのよ。チューニングは裏でスタッフが念入りにやっているのね。あ。ギブソン・ハミングバードだ。などと色々なギターが次々と登場するのも 目に面白い。

で。なにしろ、チャゲさんのMCは楽しい。クラシックのホールに大笑いは憚られと思いきや、軽妙洒脱、当意即妙のギャグに 会場みんなで大爆笑。

中でも、ギタリストの吉川忠英さんと二人だけの時のユニット名は...チャゲさんが50歳、忠英さんが60歳ということで、「五十 六十 喜んで 」ぷっ!爆笑。地井武男さんの顔が浮かびますな。

ウッドベースの渡辺等さんの参加で ユニット名「007」(詳細省略!)の時には さらにシンプルな中 深みが増していく。ジャズィーな世界にも いざなわれていく。

途中、28歳と26歳の姉妹デュオTiny Sunがキーボード、バンジョーで参加しアットホームな雰囲気。ファミリーバンドみたいでなごむんだな♪有由子ちゃんのヴォーカルはピュアに澄んでいて、チャゲさんの声と、とても美しくマッチする。
次のソロアルバムを出す時には、この二人のデュエットを聴いてみたいなと思った。

心に沁みた曲は「マシュマロ」。レスリー・チャン( 46歳で急逝した香港スター)へ チャゲさんが提供した楽曲のセルフカバーなのだが、描かれている世界が、日常の中にこそある至福の時を表現していて、すっごくイイのよ。
溶ろけそうになった。
こちら参照
(この中国語の表の 1 棉花糖(日文)の[歌詞]の部分をクリックすると、詞が読めます。2番の「リズム」が「キズム」となってるのは ご愛敬)

遠赤外線で暖まる世界。じぃん。。。こんな幸せを 自分は ないがしろにしていないだろうか。

チャゲさんのファッション、ドレスダウンしていてユニーク。シルクハットにフロックコート、それにブルージーンズとヘビーな編み上げブーツ。ドレスアップしないところがイイんだな。

本編ラストの「トウキョウタワー」、アンコールの「誘惑のベルが鳴る」に、忠英さんフィーチャーのこの曲のみ他人の楽曲「You've got A Friend」、そしてオーラスの「終章〜エピローグ」。鳴りやまぬアンコールの拍手から 最後は至極自然に スタンディングオベーション。

ほんとに ほっこり 良いコンサートだった。

後半のMCにおける チャゲさんの発言が 今も心に残る。

「今年の50歳の誕生日。風呂に入って、桶一杯を一歳と勘定して、50回、湯をかぶってみた。1回目。1歳。あぁ、生まれたばかり。10回目、10歳。30回目、30歳、、いろいろな場面を思い返しながら、ざばぁ〜ざばぁ〜...。途中、腕が疲れて右手から左手に桶を持ち替えたりなんかしながら、そうして湯を浴びること50回。かけ終えた時 バスタブの中を見ると。。。湯が すっかり減っていた!(爆笑)あわてて湯を足したりなんかして(笑)それだけの話なんだけどね。。」って、皆の笑いを誘いながら、この話、大きな示唆に富んでいるよねって思う。

私にだって もうすぐ来る50歳の時。
信長の時代なら人生50年。あぁ今に生きていてよかった。
って思う反面。人の人生の充実度合いは はたして長さなんだろうか。

私のバスタブには あとどれだけの湯が残されているんだろう。
そして 
人間関係、心や生活を豊かにすること。
そこに どれだけの湯を 補充出来るんだろうか。

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「会場で突然に声をかけて もこさん、驚いたでしょう?ごめんなさいね!」というメールを いっぱい頂戴していました。
いえいえ。でも、本当にびっくりしたんです。
私はラジオの人間ですから顔は出していないのに、どうして小川もこだと判るんだろう?!とか、こんなにたくさんのかたが番組を楽しみにしてくださっているんだ!!とか、こんなに全国からこの日のために東京にいらっしゃったんだなぁ...とか。
感激しました。
お声をかけてくださったかた。嬉しかったです。ありがとうございました。


で。スタッフの皆さんに聞いた話。
600人という限られたキャパシティーだったので、観たくてもチケットを手に入れられなかった方々が たくさん、本当にたくさん 東京文化会館の入り口に立っていらっしゃったのです。中には「チケット譲ってください」とい大書した紙を持ってるかたも。
そんな方々のために、モニターのテレビ画面を入場口付近に出して、パブリックビューじゃないけれど、観ていただいたんだとか。

エピソードひとつひとつに チャゲさんの作り出す世界を愛するみんなの気持ち、そんなファンを大切にするチャゲさんやスタッフの気持ちが感じられて。

あらためて 思いを込めて送り出すことの大切さを 教えていただきました。

50 60 よろこんで。
いくつになっても 勉強させてもらいますね。
チャゲさん みなさん ありがとう。