54b8b472.jpg 3月1日の土曜日。上野で芸術三昧。
ぽかぽか暖かな日差しを浴びて、幸せな半日を過ごしたよ。

まずは『薬師寺展』の文字に惹かれ、東京国立博物館へ向かった。でもそれは3月25日から開始の予告ポスターであった。

しょうがないから、平常展を見学。仏像の顔を見るのが好きなので、インド、中国、日本と歴史的な展示に見とれる。

木像の展示室の冒頭には「伝源頼朝木像」なるものがあった。歴史の教科書に載っていた頼朝像、有名な絵画も 源頼朝とされてきたが、1995年、足利直義像であるとする新説が発表され 物議を醸しているのだ。
この木像も説明文には「果たしてこの人物は誰なのだろう?」なんて、クエスチョンマークで締めてあって、おいおい、そんな解説で、いいのかい?!と突っ込むのも また楽し。

展示物を大きな「パシャ!」という音をたてて、携帯で撮影するご婦人がいた。つい、「えぇ??」という顔で見てしまうと、「あら。撮影禁止って書いてあるもの以外は撮っていいのよ。すごいわねぇ」とおっしゃった。そうか。でも、図録を購入するか、心の印画紙に焼き付ければいいのに。とも思ってしまった。

続いて、今度は東京都美術館へ。なにしろ上野の森には二つの美術館がある。国立西洋美術館はこの日休館日。代わって、人がごったがえす東京都美術館では「ルーブル美術館展」を開催していたのだ。
『ルーブル美術館展 フランス宮廷の美』
2008 1/24 ~ 4/6
公式サイト

今回は、絵画よりも 装身具や食器、調度品の展示です。

フランスの美術工芸が頂点を極めたのが、18世紀。そう、あのベルばらの時代です。ルイ15世の寵愛を受けたポンパドール婦人に、ルイ16世妃のマリー・アントワネット。彼女達が王宮を跋扈し、サロンにはロココや新古典主義などの芸術様式が展開。その金に糸目をつけず贅を尽くした金銀細工にあっちでもこっちでも、「ほっほう...」と感嘆の声があがるのね。
一人で行くと、他人同士が様々な会話をしているのを聴くともなく耳にしてしまう。
「テリーヌ入れだって。テリーヌってどんな料理だっけ?」
「煮こごりみたい...なやつ?」「フォアグラみたいなのかと思ったんだけどぉ...」
こういう会話には参加してしまいたくなるのを ぐっと我慢。でも、楽しい♪

蒔絵の花瓶や陶器など日本製の物もあるのだが、その侘び寂びの風情を台無しにする 金の縁飾りや金の台座が付けられている。豪華よ、華美よ これでもかのゴージャス感。でもね。。。
うぅむ。木に竹を接ぐとはこのこと。その良さが ちょっと私には解りかね。

後半はマリー・アントワネットを大フィーチャー。彼女が旅行やピクニック時、フランス革命時には亡命にも持ちだそうとしたという「旅行用携行品入れトランク」が圧巻。旅先という非日常にも、日常の豪奢を求めるとこうなるのね。

池田理代子さんの描いたマリー・アントワネットの可憐さと相反する肖像画が一枚。ヴェルトミュラーの描いた「狩猟服を着たマリー・アントワネット」。
より美しくというよりは、ちょっと大きな鼻や広いおでこをそのまま描いたことで、当時サロンでは大いに不評だったそうだが、どっしりとしたマリー・アントワネットの姿に、
「民たちが食べるパンが無いのなら、お菓子を食べればいいのに」などと発言したとされる浅はかさは微塵も感じられない。むしろ、母親譲りの聡明さが見て取れる。

歴史を動かした人々。
その実像は ほんとの ほんとは どんなだったんだろう。

ものすごい勢いで価値観が動いていった激動の18世紀のフランス。その時代に思いを馳せながら、歴史の「もしも」に心を遊ばせる。あぁ 楽しい。。。


このルーブル美術館展、大人気の中、あと一ヶ月以上つづく。
3月4日から始まる 国立西洋美術館の「ウルヴィーノのヴィーナス展」と併せて 上野の森 芸術散歩いいんじゃなぁい?