7月6日 浅草に行きました。

浅草公会堂でおこなわれたコンサート 遊佐未森 “スヰート檸檬”
〜昭和歌謡の夕べ〜 を聴きに行ったのです。

1988年にデビューした彼女、ピュアで伸びやかなファルセットと静謐な曲調、膨らみのあるビブラート、独特の歌唱とその佇まいは まるで天使♪
デビューから20年、多くのファンのハートをつかんで離さない、魅力あふれるヴォーカリストです。
出身が同郷の仙台ということもあり、ここ3年「みやぎびっきの会」でご一緒し、楽屋で盛り上がるのも楽しく、とても近しく感じてもきました。

そんな未森ちゃんが、今年「スヰート檸檬」という昭和歌謡のカバーアルバムを発表しました。6年前にリリースした「檸檬」の続編ですが、懐かしのメロディー達が彼女のピュアな歌唱とあいまって、実に自然に 聴く者の心に沁み入ってくるのです。

オープニングは「銀座カンカン娘」♪

ウエストをきゅっと絞り、裾がふんわり開いたフレアスカートのドレスは優雅で、当時のモダンガールそのまま。

その後も次から次と繰り出されるのは、手拍子を打ちたくなるような明るい元気の出る曲が多くて、とっても楽しい!
満員の公会堂を埋め尽くしている1000名のお客様は 老若男女、実にいろいろな年代の方々。落ち着いた年代の方も、すっごく楽しそうに手拍子を送っています。その姿を横目で観つつ一緒に手拍子を打つ私も 自然と笑顔になっちゃいます。

あぁ...戦後、荒廃した日本の国土で、敗戦の痛手にうちひしがれていた人々に 明るさ、元気を与えていたのは、こんな昭和歌謡たちだったんだなぁって。

父が酔っぱらうと、必ず口ずさんでいる気持ちが とっても判る気がしたのでした。

それにしてもミモリちゃん、よく笑う、よく喋る、そしてよく踊る♪なんと、ダンサー二人を従えてキャンディーズかピンクレディーよろしく踊って歌う様はとってもキュートで愛らしい。
黄色いドレスで歌う「ミネソタの卵売り」圧巻でしたぁ〜♪ご本人も、「芸能生活20年。あぁこの路線があったんですねぇ」と息ひとつ弾ませることなく余裕のよっちゃん。うーむ素敵だ。

コンサートの進行、構成も とても心地よく、ギター、バンドネオン&ピアノ、バイオリン、サックス&バスクラリネット、ドラム、ウッドベースと男子6人編成のバンドは、実に円熟と温もりの演奏を届けてくれていて、聴いていて穏やかに感動するのです。ミモリりゃんのお着替えタイムのインストゥルメンタル演奏は とってもジャズィーでカッコイイ♪

バンマスの渡辺等さんはチャゲさんの上野ライブで忠英さんと素晴らしいサポートを繰り広げていたかた。流石です。

オリジナル曲のコーナーも挟みながら、後半はまた怒濤の昭和歌謡ヒットパレード♪「青空(マイブルーヘブン)」や「青春サイクリング」「憧れのハワイ航路」と、もう、表打ちの手拍子がここまで気持ちが良いなんて。(当方、普段はジャズの 裏打ち一辺倒なもので(^^;) )

嬉しいサプライズは アンコールでやってきました。

なんと菅原都々子さんが登場!私が幼稚園の頃から「懐かしのメロディー」に出演していらっしゃったかた。御年81才になんなんとされているのに、なんと背筋がしゃんと伸びて、ロイヤルブルーのロングドレスが優雅でお似合いで。ミモリちゃんが
「お美しい...!」
と絶句するように言っていたのは全くお世辞じゃありませんでした。

微笑ましいトークもあって、二人でデュエットしたのは50年以上前に100万枚の大ヒット曲となった「月がとっても青いから」

青白き月光が 神々しいまでに二人を照らし出しているようで、素晴らしいデュエットでした。

あぁ。昭和歌謡って うつくしい。たくましい。
なんと しなやかで たおやかで 凛としていることか。

今の時代、こんな曲たちが また必要なんじゃないかしら。

いつでも だれでも どんなときでも口ずさめる シンプルなメロディーと まっすぐ心に飛び込んでくる歌詞。

これぞ 永遠の歌謡曲。

遊佐未森ちゃんが 今 これらの曲を取り上げ、私達に聴かせてくれている 大事な意味がわかるような気がしました。

すっごくハッピー、楽しくて可愛くて あったかくて。
やがて元気に みんな笑顔で出口に向かう後ろ姿に また感動していました。

人を笑顔にして送り出せる って すてきな仕事だね。

良いコンサートを 未森ちゃん ありがとう。