ShinosukeAct 行ってきました。赤坂ACTシアター。
キャパ1,300名の このホールで、落語を演るのは初めてとか。
それが 志の輔さんの「らくご」。

そりゃぁもう、エキサイティングでないわけがない!
今年と去年。
渋谷のPRCO劇場での恒例のお正月落語に 圧倒的な世界を観、感じ、打ちのめされるほどの感動しまくったのも記憶に新しいところ。

横浜にぎわい座での高座に大満足し、楽しみにしていたこの夏の牡丹灯籠は芝居の稽古で行けなかったので、一年に三回も聴けるなんてぇ〜♪と、楽しみに出かけていったのでした。

たった独りで 全3席。
ひとつめ創作落語「ハンドタオル」は 今年の正月パルコで
ふたつめ古典落語「ねずみ」は CDボックスで 何度も何度も。
聴いていた話だったけど やはり何度聴いても楽しい、面白い。

そして中入り後の いよいよ今回のメインエベントは「政談 月の鏡

これが まぁまぁ なんとなんとの 超過激な実験作。
面白かったぁ〜〜〜!!
刹那刹那に 胸のすくよな快感が走る面白さ♪

久々に 極上のスリルとサスペンスを感じました。

「歓喜の歌」のときにも思ったけれど。
たった独りで 何人もの人々を演じ分け、聴かせていく その力、テクニック、エナジー、オーラ。。。
並大抵のものじゃない。
その上、この話は 場面が どんどん変わって、縦軸におよそ4つの話が同時進行していく。落語としては珍しい手法なわけですね。

それを 一つの表現技法として、あの人気テレビドラマ「24(トゥエンティー・フォー)」の
リアルタイムに進行していくサスペンスドラマになぞらえて表現していくってんだから あぁた。

いつ どこで だれと どのように こんなアイディア、
こんな面白いこと 思いつくんだろ。

久々に 血沸き肉躍り、ドキドキして次は 次は?!?!と、
わくわくして聴いてました。

ただ、始める前に 取り上げる三遊亭円朝作の「政談 月の鏡」を、
志の輔さんは 円朝の失敗作だと言い切るの。
なんにも面白くないから。
今まで どんな落語家も取り上げてこなかったと。

調べてみると。。

政談月の鏡せいだん つきのかがみ) 著者名:三遊亭 円朝

 江戸長谷川町の番太郎喜助はいたって酒好き。ある日店に立ち寄った見知らぬ侍から得難い銘酒なるものを与えられる。酒好きであるから、これは飲まずにおれない。が、しばらくして七転八倒の苦しみのうち喜助は死んでしまう。銘酒とは真っ赤な偽り、毒酒であったのだ。女房のお梅は、何としてもかたきを捜し出したいと、下手人が来るやもしれぬ吉原に身を沈めて 通る人々を見張っていた。そして、ついにそのかたきを見つけたと思ったのだが……。

この話は、一説には、円朝の作ではなく、円朝と親しかった採菊散人という作家の作品みたい。

採菊散人は條野傳平といい、維新前から明治の初年へわたって山々亭有人と称して、草双紙の作が多く、明治十九年やまと新聞を起こして採菊散人の文名を謳われ、小説の作も多く明治三十五年歳七十二で物故せられました。

とありまして。物故せられる...って えっらい仰々しい表現でございますが。

どうりで、作風が違うわけか。。

そこまでは志の輔さんは言及なさっていませんでしたが、 志の輔さんの解釈で 怪僧ラスプーチンよろしく、届けてくれちゃうんだよなぁ。

ぱっと顔を上げた瞬間に 別の人間、別の場面を演じているから、
正直、ぼぉぉっと聴いてると、話の展開についていけない人もたくさんいらっしゃったかも。

でも だから。

尋常じゃないのよ。

以前、シュイクスピアの『リア王』を 独りで演じきった楠 美津香さんという舞台女優に舌を巻いたけれど、志の輔さんの立体的な話の展開は、テクニックの範疇ではない とにかくすごい!!
と 驚嘆 感嘆なのです。

今回はね。
泣いちゃう。。なんてシーンはなかったけれど。
奇々怪々にして、愉快痛快。

楽しかった。

終演後。いつもなら御挨拶に楽屋へ伺うところですが、1,300人の人が津波のようにシアターから吐き出されていくその波にもまれ、この後 夜の部もあるわけだし、人も多いし、今日は遠慮しようか...と、最近すっかり落語鑑賞同好の士となった日野美歌嬢と それではと 師匠の留守電にメッセージを入れさせて貰いました。

翌朝。
御礼の電話が 志の輔さんから。
聞けば、大阪へ向かう新幹線の車中からとか。

えぇぇぇっっ??昨日、あんなハードな高座を昼・夜 二回やった翌日の朝に もう大阪ですか?

どんなハードスケジュールなの?
身体壊さないでねぇ、、と老婆心ながら心配しておりましたら、
ネットニュースで 立川一門の落語家さんの訃報を目にしました。

【 落語家の立川文都氏逝去 】
立川文都氏(たてかわ・ぶんと=本名国府秀剛)が29日午後11時31分、胃がんのため死去、49歳だった。大阪市出身。葬儀・告別式の日取り、喪主は未定。 84年、立川談志一門に入り、98年に真打ちに昇進、六代目文都を襲名した。
今年夏に胃がんであることを公式ホームページで公表、大阪に戻って療養していた。9月26日に埼玉の「鴻巣寄席」で演じた「浮世根問」が最後の高座になった。

お疲れの中、この弟弟子さんのための 大阪行きだったのではと。。。

おりしも 同じ日、「笑点」で親しまれた落語家の三遊亭円楽さんが29日午前8時15分、肺がんのため東京都中野区の自宅で死去の訃報。

笑いを届ける仕事をされるかたのご不幸ごとは ことさらに辛く感じるものですね。。。

お二方のご冥福を 心より お祈り申し上げます。

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さて、いつまでもチャレンジし続ける 獅子の如き志の輔さん。
次は、お正月のPARCO劇場、およそ一ヶ月 全24公演。
本当にチケットが手に入りにくい公演ではありますが、こんなスペクタクル、滅多にないさ。
是非、トライしてみてください!
立川志の輔さん公式サイト


志の輔花ACT