LusoFado私がポルトガルに惹かれた 大きな理由のひとつが これ。

ファド「FADO」

(←バイロアルトのファドハウスLusoにて)

ポルトガルの伝統歌謡。

世界各国には、その国独特の音楽がある。
フランスのシャンソン、アイルランドのケルト音楽、スイスのヨーデル、イタリアのカンツォーネ、スペインならフラメンコのカンテ、アルゼンチンのタンゴ、アメリカのジャズやブルース、ブラジルならサンバやボサノバ、日本なら演歌、、、。

そして、ポルトガルなら ファド。なんだね。

ファドの起源は 諸説あって、もともとポルトガルにあったという説や、
イスラム説、アフリカからやってきたという説まで。

なかでも有力なのは、大航海時代にポルトガル人が植民地のブラジルへ連れていったアフリカ人奴隷達の官能的な踊りが、港町リスボンへ逆輸入されたという説。
それが徐々に、打楽器の伴奏が無くなり、歌の部分が強調されて叙情的な歌謡に変化してきたのだとか。

ともあれ、リスボンのファドは 19世紀中頃に確立したとあるから、今の形になって、150年ほどの歴史を持つのね。

Amaliaファド界のスーパースターは
アマリア・ロドリゲス
1954年のフランス映画「過去を持つ愛情」で歌われた
「暗いはしけ」(正確にはこの歌はファドではないのだけれど)が世界的に大ヒット。
彼女の名と共に、ファドが世界中に知られるきっかけとなりました。


〔追記:帰ってきて、早速 この映画を観てみましたが、モノクロの画面に映し出される
リスボンの街が素晴らしく、先日観てきた風情とほとんど違いが無いことに また感動。
この町は十年一日 どころか 五十年一日なのだ。すごいなぁ。。。
カーザ・ド・ファドで歌い上げるアマリアの毅然とした姿。
またヒロインのフランソワーズ・アルヌールのタミー人形のような美しさとウエストの細さにも 見とれ。せつない悲恋に じぃぃん。。。
機会があったら、観てみてね!)


リスボン市内のバイロアルト地区やアルファマ地区に集中するファドのライブレストラン(Casa de Fado カーザ・ド・ファド)で、毎夜毎夜 歌われ演奏されているので、いつ行っても 楽しむことが出来ます。

薄暗い店の中、マイクは一切使わず、ステージといった高いところで歌うのでもない。客のテーブルの真ん中で、ギターラ〔丸い形をした12弦ギター)とヴィオーラ(クラシック・ギター)、時にウッドベースなど2〜3人の伴奏を伴って歌われるその歌声が、せつせつと 心のひだに染み込んできて、虜になってしまうのね。

庶民の心の歌。

そもそも、ファドFADOとは 運命、宿命という意味を持っているとか。

労働の苦しみ、帰り来ぬ人を待つ切なさ、苦い思い出などを歌っているのです。
まさに サウダーヂ。

かと思えば、メジャーコードに転調して、明るく歌い、店のお客さん達が皆、手拍子をしたり、一緒に歌ったりする 朗らかなものもあります。

ファドを歌う人は ファディスタと呼ばれます。黒いショールを肩にかけた女性のイメージが強いかもしれないけれど、男性のファディスタも居て、だいたい3〜4曲、15分ぐらい歌っては20分休憩、というのを4人ぐらいのファディスタで繰り返し、夜の9時半頃から夜中の2時頃まで、その歌と演奏は ずっと続いていくのです。

早い時間に行くと、比較的観光客相手のフォークダンスなどもあって、
「ちょっとイメージ違うじゃない...」って感じることもあるけど、
深い時間に行くにしたがって、「これ、これよ。この世界を聴きたかったのよぉ。」となっていくのね。

今回は、アルファマ地区の「Clube de Fado クルベ・ド・ファド」とバイロアルト地区の「Luso ルーゾ」に行きました。
どちらも 行ってよかった。。と思う歌が聴けたのが嬉しかった。

まず、2日目の夜に出かけたのがアルファマ地区のClube de Fado。
28番線とカセドラル28番線の、とってもレトロな市電に乗っていきます。
Se駅という、アルファマのカセドラルの真ん前で降ります。

その右脇の道を入っていくとあるのが この店。

MarioMario2





クルベ・デ・ファドのオーナーはギターラ奏者の
Mario Pacheco マリオ・パチェーコ
さん。
鼻の下にたっぷりの黒い髭を生やしているご尊顔が、ちょっとスーパーマリオ的でキュート♪

ClubeFadoLive1月6日の夜に聴いたライブは 
まだ無名な一人目の若く美しいファディスタ
の歌が心に残りました。


演奏の合間に マリオさんに お話を伺ったら、日本へは公演で18回行ったよと笑顔。
思わず、彼の2007年リリースのリーダーアルバムを買い求めたら、CDと共に、DVDがセットになっていて、このDVDが 大当たりでした

2005年に リスボン郊外のケルース宮殿で行われたコンサートの模様を収録したもので、インストゥルメンタルの演奏と ゲストで招いた豪華なファディスタの歌が収められていて、音、映像ともに最高なの。

さらに、マリオさんのインタビューも収録されていて、
彼が アマリア・ロドリゲスの最後のギターラ奏者だったことや、
坂本龍一さんが聴いて、「Amazing !!」と言ったこと、
ファドはアドリブの音楽、パッションが大事...などなど、熱く熱くファドを語っていて、必見です。(ポルトガル語で喋っているけど、英語の字幕が入っているから解りやすいよ)

このDVDの中で 特に印象的な歌唱で、見目麗しいファディスタが
この人。
Mariza-Transparente Mariza マリーザ

モザンビーク出身で、父はポルトガル人、母はアフリカ人。
2000年にアルバムデビュー、
2009年、来日し、コンサートをおこなっています。
スレンダーで背が高く、美人ね。
ちなみに、彼女のアルバムのほとんどに、Mario Pachecoさんが参加しています。

1月11日火曜日の「扉」の3時台におかけしたのが、
この曲。
CAVALEIRO MONGE カヴァレイロ・モンジュ 騎馬の修道士



歌詞は 愛の流浪を続けていく様子を 馬に乗った宗教者になぞらえているような感じ。

こちら参照

アルバムもいっぱい出ているので、興味のあるかたはどうぞ。
今、若手ナンバーワンのファディスタです。

terraterra
アーティスト:マリーザ
EMIミュージックジャパン(2009-09-30)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

LUSO入り口最後の夜に訪ねたのは もう一軒の店 
バイロアルト地区のLuso ルーゾ
実はここは、目的の店(「O Faia」)が見つからなくて、しょうがなく入った店
(失敬な!)でした。

夜10時半を過ぎ、けっこう遅くに入店したのだけれど、ちょうどその時、観光客むけのフォークダンスが店内中を練り歩いている真っ最中。
観客も参加して異常に盛り上がっていて、あぁ、店選び失敗したかなぁ、、と一瞬ひるんだのですが、結果。素晴らしかったよ。


まず、料理が美味しかった♪
コースで頼んだのですが、店内が暗くて当てずっぽうでオーダーしたら、これが当たり♪
前菜LusoLuso料理Lusoデザート




前菜、メイン、デザートと器もモダンで盛りつけが美しく、味もグー♪
ここの店は、アラカルトよりコースがオススメです。

YolaDinisファドも素晴らしかった。
特にこのファディスタ。

Yola Dinis




マリーザとは対極の 恰幅の良い体格で、朗々と歌う様は圧巻。
それでいて、ピアニシモの小さな小さな声での歌唱も、ちゃんと心の真ん中に響いてくる。
またまたアルバム買ってしまいました。

ファドを聴いたら、CDアルバム買ってくるのが オススメです。
サインもしてくれるし、旅の思い出の好適品。

Luzoで男性ファディスタ隣りのテーブルはラブラブ




(左の写真)男性のファディスタも朗々と歌ってます。
(右の写真)となりのテーブルは我々の居る間、三組ぐらい変わっていったのですが、この最後のカップルが、これからラブラブになっていく雰囲気でした。
シェフ!ズボンがパジャマですよ
小川、ぼぉっとしてますが。


後ろのシェフの
履いてるズボンにご注目。

どうみても、、、
パジャマじゃないのぉ?





Luzoのレシートファドレストランでの料金体系は二通りあります。
まず、食事をとった場合、チャージは無料となります。
食事は別の店でとって、軽い飲み物で
という場合は、別途ミュージックチャージがつきます。

我々はコース料理をとったので、
ミュージックチャージはついていません。
ビールにワインも呑んだので、
一人、5,700円ぐらい。
けっこう、イイ値段になりましたね。


ジャズバー内絵画的ジャズバー内オブジェLuso でファドを堪能した後、
ジャズバーにも立ち寄り。

店を出たのが午前2時。





当然、グロリア線のケーブルカーも もう終電時間を過ぎていて、
下のホテルまで線路の上を 歩いて下る。。。

歩いて帰るグロリア線落書きケーブルカー脇落書き








途中には、ファンキーかつ芸術的な落書きが多々あるのも楽し。

リスボンの街は 昼は 年輩のかたと観光客が目立つけれど、
深夜に このバイロアルトを訪れると、この町にこんなに若者が居たのか?!と驚くほど、集っています。
夜の若者の歓楽街ね。
その分、危険なことも多いので、帰りはタクシーで帰るのが、本当は 正しいのだ。

さぁ、今度は旅の三日目、新幹線に乗ってポルトへ行く。へゴー