ギャラクシーマーク2012年6月4日(月)、午後4時半から東京恵比寿のホテル ウエスティン東京にて、『第49回ギャラクシー賞』贈賞式がおこなわれました。

放送の分野において、優秀番組や個人、団体を顕彰するギャラクシー賞。
小川は、1996年度のギャラクシー賞DJ・パーソナリティー賞を受賞した御縁で、司会の大役を仰せつかり、元・テレビ東京アナウンサーで現フリーアナウンサーの赤平 大さんと共に、務めてまいりました。

いやぁ...華やか♪
そして取材陣の多さも含め、ノミネート作品を出品している放送局や広告代理店の方々の緊張した雰囲気が直に伝わってきて、ひそかに、いやガッツリと、司会席の我々も緊張!
結果、噛まないでいいようなところで、しっかと噛んで、お恥ずかしい(^_^;)

でも。
一視聴者、一リスナーとして、今回のノミネート作品の上位入賞作品を事前に観て聴いていたので、それぞれの放送現場に臨んだ放送人の方々の心意気、責任感、プロ根性、愛情、友情、やる気、元気、根気、負けん気、、、いっぱいいっぱい感じ取ることが出来て、ほんとうに得難い経験となりました。

以下、心揺れたポイントなど、上位作品の発表とともに。( 6/6加筆しました)


『第49回ギャラクシー賞』

【CM部門】
特別賞
三陸に仕事を!プロジェクト実行委員会 浜のミサンガ「環」 岩手・宮城誕生篇
・長尺のCMです。被災した漁具の定置網を用いて、ミサンガを作る浜のおばちゃんたちの顔の皺、笑顔、静かな被災地の情景。。。美しい海を取り戻すために、今、自分の出来ることを。。。って観た人は皆、きっと思う、優しいCMでした。

優秀賞
トヨタマーケティングジャパン 企業 シリーズFTDA「ReBORN篇」他
・キムタクが信長、ビートたけしが秀吉。
意表をついたキャスティングで、戦国時代と現代がオーバーラップしながら進む世界に、心奪われます。東北路を車走らせる今後の二人の行く手にも注目したい作品。

ライオン 企業 歯ブラシ家族シリーズ「お兄ちゃん」「未来の家族」「息子と母親」
・コップに立てかけた歯ブラシが父と息子の会話をするんですが、お産を終えて病院から帰ってくる母と産まれたばかりの弟を迎える微妙な三才ぐらいのお兄ちゃんの気持ちが微笑ましく描かれていて、温かい笑いが起きていました。
父「弟が帰ってきたらどうする?」息子「大事なおもちゃ貸したげる」父「えらいなぁ」息子「パパも貸したげる」父「(^_^;)...パパもか。。ママも貸すんだね」息子「ママは貸したげない!」父「(^_^;)...そうか。。」
うふふ。

大賞
サントリーホールディングス 企業 シリーズ歌のリレー「見上げてごらん夜の星をA」「見上げてごらん夜の星をC」「上を向いて歩こうC」「上を向いて歩こうA」

・永ちゃんが、宮沢りえが、西田敏行が、坂本龍一が...皆が歌い奏で紡いでいく思いを込めた歌のリレー。全員がボランティアで参加し、震災後、3月中にもう一作目はオンエアーしていたという、企業や事務所の枠を超えたアーティストたちの思いがじんわり伝わってきて、ほんとにステキなCMでした。今、NHKでも似たような歌のリレーをやってる。びっきの会のメンバーも多数参加してるけど、このCMの二番煎じ感は否めないなぁ。。

【ラジオ部門】
DJパーソナリティ賞
吉田尚記 『ミュ〜コミ+プラス』(ニッポン放送)パーソナリティとして

・Twitterを用いて、中高生に参加型の門戸を広げた吉田アナは異色の存在!受賞で登壇時もスマホ片手に、ずっとUstream実況中継をし、会場内のスクリーンにはガンガン届くTwitterメッセージが映しだされ、今を感じ、今を切り取り、明日をリードしていく吉田アナの心意気が感じられ、脱帽。
笑いもいっぱい起きていました♪

優秀賞
『久米宏 ラジオなんですけど』(TBSラジオ&コミュニケーションズ)
・久米さん!面白すぎるよ♪二時間番組まったく漏らさず、ワクワクドキドキして試聴しました。
インタビューで伺った話では、まず、CM部門でも大賞をとった「歌のリレー」をラジオでも、、とリスナーと電話繋ぎをおこない、その第二弾で、リスナーと多元中継で電話を繋いで生放送でラジオドラマをやっちゃおう♪という。あぁ、ヒルアヴェ金曜日によくやってたよな♪的なチャレンジングな番組。
題材は、エコで涼しくと怪談の「番町皿屋敷」。久米さんが物語のバックボーンを滔々と語り、東大の教授が歴史背景を語り、知的好奇心もおおいに刺激しつつ、全員を順番につないで、演技指導し。
リスナーも居場所も、埼玉、岡山、長野、なんとオランダ!などなど全国全世界と同時に繋がる面白さ。鎌倉在住のナレーター役の70代の女性と、なかなか電話が繋がらなかったハプニングに聴いてる我々リスナーもドキドキし。
その過程、すべてが いちいちエキサイティング。
結果、番組終盤におこなった、8人のリスナーとスタジオを繋いで作り上げた生ラジオドラマは、なんと感動的だったことか。
こんな番組、私もたずさわりたいなぁと心から思いましたよん♪

ABC創立60周年記念ラジオ時代劇『元禄・堂島米市場蛍舞〜平成に近松の幽霊が甦る〜』(朝日放送)

・橋本さんという社員の女性が、原作・脚本・演出を一人で手がけたラジオドラマ。
大阪の町を舞台に、花街の太夫をめぐっての人情劇に、悪役の橋爪功さんの演技がギラギラと光る素晴らしい作品。車の中で試聴していて、目的地に着いても続きが聴きたくて、ずっと最後まで聴き通してしまった。
素晴らしいなぁ。。受賞で登壇された橋本さんも素敵な女性でした♪


ラジオドキュメンタリー『消えた月光仮面』(北海道放送)
・実在の検事の姿を描いた硬派のドキュメンタリー。こういった番組を民放のラジオで届けるってすごい。ナレーターの美しい日本語に聴き惚れ、検事の生き方に心を正される思いで、今の司法界からも反響があったと聞いて、嬉しく思いました。

スクリーン大賞
ラジオドラマ『鉄になる日』(小松左京著『日本アパッチ族』より)(毎日放送)
・小松左京さんの大ファンだった私には、ほんとうに嬉しい有り難いラジオドラマ化でした。
インタビュー時に伺ったお話では、昨年7月、小松さんが亡くなられた直後にこの企画を立ち上げたそうです。ストーリーは、働かないことが重罪とされる社会で、引きこもりから「追放刑」となった主人公が、追放地で鉄を喰う人種と出会うところから始まるのね。
元々1964年発表の作品を、現代に置き換えてドラマ化しており、人のあるべき姿とは、生きるとは...
現代にも通じる普遍的なテーマとして 人が人であるために 一番大切なことを、天国から 左京さんがメッセージしてくれているように感じる素晴らしい作品となっています。
インタビュー時、毎日放送ラジオ局番組センター副部長の島 修一さんと、故・小松さんに聴いて欲しかったですねぇ。。。と、しみじみしてしまいました。
聴き逃したかた、全国の皆様に 朗報です。
6月17日、24日放送のNHKラジオ第一「ザ・ベストラジオ」でオンエアが決定しています。
ぜひ、聴いてみてくださいね〜

【報道活動部門】
優秀賞
市営散弾銃射撃場鉛汚染問題における一連の報道(伊万里ケーブルテレビジョン)
・射撃場で回収されずにいる散弾銃の銃弾が土壌を汚染し、農作物に影響を与えているという事実。
住民同士でも立場によって賛成派、反対派に分かれる中、中立の立場で継続的に取材、報道を続けるその姿勢に、報道の鏡の姿を見た。。。と思わされました。

オムニバステレビ・ドキュメンタリー『3・11大震災 記者たちの眼差し』I〜IV(TBSテレビ)
・TBS系列各局の記者が一人称をつかって伝えていく、それぞれのエピソードを散りばめたドキュメンタリーです。
放送とは、人が作っているのだ。人が伝えているのだ。
その息吹と鼓動と血の通った体温、そして涙の温もりが伝わってくる素晴らしい報道番組。
一人一人の記者の感性に託したそれぞれの放送局の心意気もひしひしと伝わってくるのね。
夜中に放送されていた番組なので、ぜひ、またゴールデンタイムに再放送してほしい。


大賞
絆いわて『ふるさとは負けない!』キャンペーン(IBC岩手放送)
・事前に送ってもらった資料映像の中から、たまたま一番最初に視聴したのがこの番組だったのですが、観ていて溢れる涙が止まらず...。
これは、一つの作品というより、ずっと続けているこの放送局の姿勢を伝える資料映像でした。
震災直後の被災地の惨状の映像から始まり、跡形もなく消え去っている ふるさとに地獄を見た報道陣たちが、その思い「ふるさとは負けない!」を震災報道の旗印として掲げて放送を続けている様子が様々に報告されるのです。俳優の村上弘明さんはじめ岩手出身の著名人が画面を通して皆が口にする「ふるさとは負けない!」のメッセージ。
♪君の心よ高くなれ 空より高く高くなれ 君の心よ強くなれ 海より強く強くなれ♪
蛍の光のメロディーで歌われる「空より高く」を歌う幼稚園児の歌で、もう、小川の涙腺はマーライオン状態。
県民、被災者に寄り添い、ふるさとを大事に思う 放送現場の伝え手が伝える メッセージ。
これが、真の「報道」だと。震災被災地の放送局が背負った使命、覚悟を持って臨み、今も明日も伝え続けるIBC岩手放送に、心からの拍手とエールを送ります。

【志賀信夫賞】
植村伴次郎さん
・放送批評懇談会のリーダーとして、引退するまで日本におけるメディアの御意見番として常に第一線で活躍してきた志賀信夫氏の名前を冠した賞。昨年は、TFMの後藤会長でしたが、今年は。
1961年に「東北新社」を立ち上げ、早くから映画製作・配給、海外テレビ映画の輸入配給に尽力されてきた植村さん。ご本人は、ちょっと腰痛がひどくて...ということで、代わってご子息の徹さんがご挨拶されました。
外国映画の日本語版制作で つとに有名な会社だけに、御祝いにかけつけたのは、声優の羽佐間道夫さん。スピーチの中で、昨今の声優ブームから声優養成学校が乱立している点にも触れ、「千人中、仕事が出来るのは2〜3人。声優とは厳しい世界だ」と。さらに金銭面で新人を登用することから質の低下も憂いていらっしゃいました。
その現場に携わる小川としては耳の痛いお話で。。。だからこそ、真摯に導かねば...とも。


【マイベストTV賞 第6回グランプリ】
『妖怪人間ベム』(日本テレビ放送網)
・一般視聴者が投票で選んだ賞は、KAT TUNの亀梨くん、福ちゃん、杏さんが演じたこの作品に決定しました。アニメの時代から知っている私としては、実写化はどうよ。。と思ったけれど、物語の本質的なところをちゃんと伝えてくれていて、嬉しかったし、同じように感じた視聴者が多かったんですね。
インタビュー時、「続編は?」と問うと、シークレット♪という笑顔の返答。
こりゃ、あるかな♪  楽しみに待っていましょう。

【テレビ部門】
特別賞
ETV特集『ネットワークでつくる放射能汚染地図』シリーズ(日本放送協会)
・原発事故発生直後から福島県に入り、危険を顧みず取材を続け、行政がやらない、やれない
やっていない放射能汚染の実態を調べるという 一番必要な情報を伝え続けた功績は大きいです。
シリーズで継続的に作り続けていることにも敬服します。


優秀
『鈴木先生』(テレビ東京 「鈴木先生」製作委員会)

・とても面白い学園ドラマ。なのに、放送時間帯が不運だったのか(スマスマの裏番組!)視聴率こそ芳しくなかったものの、教師のあるべき姿、今の時代の教師像を描いていて素晴らしい。
ぜひ、再放送でも、続編でもいいから、もっとたくさんの人に観て欲しいドラマだな、、と思いました。

ハイビジョン特集『しあわせのカタチ〜脚本家・木皿泉 創作の“世界”』(日本放送協会 NHKエンタープライズ スローハンド)
・「スイカ」「野ブタ。をプロデュース」「Q10」など様々なヒット作を生み続ける脚本家・木皿泉とは、実は夫婦二人の共同ペンネームなのです。この夫婦が脚本を作り上げていく過程がドキュメントで描かれています。夫婦のしあわせのカタチを描くドラマの脚本を書いてほしい!と依頼されたところからスタートし、その、実にスローペースな製作過程を密着取材で見せていくのね。
この姿が、リアルな有り様が、そのまんま、幸せのカタチなんです!素敵すぎます!!
ご主人は病で倒れたあとの車椅子生活で、妻は そんな夫の介護を続けつつ、なんでも話し合いながら脚本を紡いでいく二人の姿が、どんなストーリーにも勝るリアルドラマなんだ。それに、お二人脚本のドラマ「世の中を忘れたやうな蚊帳の中」が挿入されていく。ドラマ内で夫役を演じる田中哲司さんのナレーションも秀逸。ドラマは木皿泉夫婦が実際に住んでいる部屋で撮影される。これも、ものすごいリアリティーを感じさせつつ、大人のメルヘンになっている。いいなぁ。。。木皿泉の世界。これからも楽しみにお二人の生み出す世界を享受していきたい。ってほんとに思った。
この番組、再放送を切に希望。

『世界の果てまでイッテQ!イモトが挑む南米大陸最高峰アコンカグア登頂スペシャル』(日本テレビ放送網)
・タレント・イモトアヤコがアコンカグアに挑むドキュメントですが、頂上まであと200mというところで断念...のシーンには、彼女と一緒に悔し涙がにじんでしまうんだな。あまりこの手のバラエティーを普段観ないのですが、チャレンジしていくその過程や、体調絶不良となっても視聴者の期待に応えようと頑張り続ける彼女の姿に感動しました。受賞のプロデューサーに問えば、「いえ、常々、このシリーズでは、いつも危険を顧みず 滅茶苦茶にやっているようだけど、実は合言葉は「安全第一」!なんです。安全に帰ってきてこそ、意味がある。だから、今回も良かった。登頂は次に成功すればいいんだから」と鷹揚なお言葉。大事な姿勢ですよね。


個人賞
小泉今日子 木曜劇場『最後から二番目の恋』(フジテレビ)、連続ドラマW『贖罪』(WOWOW)の演技
・キョンキョン。演技する彼女は久しぶりで、どちらも主役として光輝いていました。
『最後から二番目の恋』では45歳 独身のテレビプロデューサー役で、若いイケメンと恋をするという、女子としては憧れの設定。鎌倉の古民家に住むという設定もすてき。アラフォー女性に勇気を与えたドラマでした。
一方の「贖罪」は、湊かなえ原作の、かなり重たい内容なのですが、娘を殺された母親が、居合わせた同級生の女子達に償いなさい!と迫るシーン、その後の展開、息もつかせぬ迫真の演技で、女優・小泉の凄味を感じさせ。私は、第一話のみをDVDで鑑賞、続きが知りたくて、すぐAmazonポチッとなぁで原作購入、一気に読んでしまいました。
おどろおどろしいけれど、人間の心の奥底にひそむ、冷ややかで哀しい「性さが」をえぐるように描いていて、突き刺さってきます。
ぜひ、このドラマも再放送希望!
贈賞式でのキョンキョンは、黒のミニワンピースに生足でハイヒール。大人の魅力満開の美しさで、ウエスティン東京ギャラクシールームは一気に彼女に魅了されたのでした♪


大賞
連続テレビ小説『カーネーション』(日本放送協会)
・これはもう。誰もが納得の大賞ですね。
こんな面白い朝連ドラ、かつてあっただろうか。
世界的ファッションデザイナー・コシノ三姉妹を育てた、岸和田の肝っ玉母ちゃん小篠綾子さんをモデルとしたストーリー。主演の尾野真千子さんの元気いっぱいの快演が光り、渡辺さんの脚本が光り、テンポ良い演出が光り、廻りを固める名脇役達の演技が光り。。。お父さん役の小林薫さんは、寺内貫太郎なみの暴れっぷり。お母さん役の麻生祐未さんは おっとりとした魅力。三姉妹の特に、コシノジュンコをモデルとした次女直子を演じた川崎亜沙美さんの、なんとコシノジュンコさんご本人に似ていることか♪ 未亡人となった糸子が恋心を抱く周防さん役の綾野剛の優男的魅力。。。
朝から、主婦の心を捉えて離さない要素が満載で、面白いドラマだったなぁ。
尾野真千子さんが御祝いに駆けつけるかも...と、一瞬、贈賞式スタッフ 期待しましたが、長野県でロケ中でNGに。残念!でも。
実在の人物がモデル、だんじりに代表される大阪岸和田の義理人情、ワクワクするストーリー展開、主演の尾野真千子さんはじめ、出演者の魅力、、、何倍にも良さが重なっての良いドラマ。つくって、送り届けてくれてありがとうでした。
震災後の元気を無くした日本中に元気をくれた番組だったと思います♪

赤平アナと一緒にコンビを組んだ赤平アナと。
彼は、贈賞式を終えて 次の仕事場へと向かうべくカジュアルな服に着替えたあとで。
小川は、パーティー用に着替えたとこで、ミスマッチなファッションを
許してね〜
爽やかなMC、お疲れ様でした。


ー【さいごに】ーーー

このギャラクシー賞は、NPO団体「放送批評懇談会」が毎日、毎月、常に放送を視聴し、
毎月、月間賞を設け、さらに年間で選奨するものです。
つまり、ずっといつでも 今、日本で流れている放送を見守っているよ。ということ。
放送の送り手、作り手は、賞を目当てに現場に臨んでいるわけじゃない。

でも。
一所懸命やっていれば、だれかが見て聴いて感じてくれていて、エールを送ってくれる。
私が97年にギャラクシー賞 DJ・パーソナリティー賞を頂戴したときに、それを感じて、心から感謝したものです。

褒められるために やってるわけじゃない。
だけど。
だれかが
「がんばったね」「よかったよ」「ありがとう」って言ってくれる。

人が前に進むための 大きなパワーになると あらためて実感もします。

来年は50周年。
もっともっといい放送を。日本の放送の前進のためにがんばってる
そんな人達が居ることを 知っておいてほしいなと。

そして。
この歌が思い浮かびました。

「君は君の誇り」 by 中西圭三

この町の隅で 君のことを誰かが思っている
拍手に似た 見えない声援を送りながら...