東京スカイ座フライヤー2013年2月13日(水)

第16回 東京スカイ座 曳舟寄席。
堪能いたしました。


前座の翔丸くんから、トリの好楽さんまで、笑わせてもらって楽しかったのはもちろん、語りを勉強している身としても、とても学ぶことの多い内容でした。




東京スカイ座演目2013-2


とはいいながら、二席目までは、ちょっぴり 会場の雰囲気もほぐれてない感じ。
前座の 翔丸くん、テンポがあってとても楽しい雰囲気。なのだけれど、いかんせん「ま」がない。お客さんの呼吸や間合いを考えることなど、これから高座経験を積み重ねることによって、学んでいくんでしょうね。がんばれ〜〜
この点は、私が今 取り組んでいる「語りの世界」にも通じる課題だよなぁと、あらためて、「間」の大切さを思うのでした。

二席目の春風亭昇々さん、俳優の堺 雅人に通じるようなハンサムボーイ。こちらはちょいとブラックユーモア味。ビタミン愛が 少々欠乏しているというか、落語に登場する人物の「かわいげ」をもっと表現してほしい。彼自身は きっと良い人なのだと思うので、それを噺に活かして、やがてほっこりした充実の後味につなげてもらえたらなぁ...と感じました。

そうして三席目。 さすがの真打ち登場、柳屋喜多八さんになって、とたんに聴衆の 場の空気が変わるのです。
「待ってましたぁ〜!」の大向う、掛け声もかかり。そうしてふぁりと けだるい雰囲気で始まる噺は、
自然な「ま」、頑張り過ぎない、肩に力の入ってない噺の そこここに 立ち昇る お人柄とキラリと光る名人芸。笑いのボリュームも上がります♪
聴き惚れます。
うどんのすすり方、お冷やの飲み方、旨そうだったなぁ。。
ついついうっかり、帰り道、蕎麦屋に寄って、蕎麦をたぐってしまいました。
ただ、終盤、じっくり演じているところで、会場内で携帯電話が鳴り、しかもあろうことか、その電話に出て 喋り続けるお客さんがいた。喜多八さん、さぞやりにくかったことでしょう。
他山の石として、携帯電話の切り忘れに気をつけよう。

仲入り後の三遊亭兼好さん。
このかたの噺とスタイルが とても しっくり来て好きでした。
自分の立ち位置をちょっと低めに置いて、皆を共感させつつ、子どもの無邪気さ、おっちょこちょいな下町の人々のやりとりが目に浮かぶような描写。あったかいんだよね。
これからもっと、聴いていきたい噺家さんだな。

いよいよトリは 笑点でお馴染みの三遊亭好楽さん。良い意味で枯れてます。安心して聴いていられるんですね。
テレビとはまた違う いぶし銀の魅力があります。
演目の「肝つぶし」は、実の妹の生き肝を 恋わずらいの病の床に伏している友人のために取ろうとする、ちょっと猟奇的な噺。
軽妙洒脱にオチにつなげる好楽師匠は見事でしたが、もっと じぃぃんとくる人情噺にもしてほしいような。

他の人の語る「肝つぶし」も聴いてみたいなと思いました。

ともあれ。

独演会もいいけれど、いろんな噺家さんの話芸が楽しめる寄席はこれまた、いいもんです♪

あなたもどうぞ。

ちなみにこの様子は、
東京MX TVの「東京スカイ座 一朝一席」にて毎週日曜日朝7:00〜7:30オンエアされます。

スカイツリーと◯◯こビル
おまけ:
会場の曳舟文化センターへ向かう道すがら、駒形橋から スカイツリーと◯◯こビルを臨む景色です。
両者が 落語の熊さん八っつぁんみたいに、会話してるかのように見えてしまいました。

どこまでも 青い空。
pm2.5が俟ってるなんて思いたくない。。。