東日本大震災から2年。

翌日、びっきの会の活動でテレビ出演が予定されていたこともあって、

3月11日を

仙台で迎えました。

 

実家に14:46 ギリギリで帰り着き、テレビ画面を観ながら、父と黙祷。

おりしも、近くの寺から鐘を打ち鳴らす音が響いてきて。

眼を閉じ、それを聴きながら 涙があふれて止まりませんでした。

あらためて 犠牲となられた御霊に 安らかなれと祈ります。

 

この日の夕刻。

父の誘いで、仙台のホテルでおこなわれた講演を聴きに行きました。

東洋大学海洋学部教授 山田吉彦さんによる

「日本の国境政策」という演題での講演です。

 

無料の講演だったので、あんまり期待しないで行ったのですが、

あに図らんや、面白い!

最初から最後まで、とても興味深く拝聴いたしました。
講演ですから、わかりやすい表現をとるあまり、極論に聞こえる部分もあったかもしれませんが、ニュースや新聞からは伝わってこない、国際間の微妙なパワーバランスが垣間見え、様々な学者の話に耳を傾けることは大事だなと感じた次第です。 

 

その内容の骨子を メモから、挙げてみますね。
(※あくまでメモなので聞き間違い、要旨の捉え方の間違いなど多々あるかと思います。その点、ご容赦ください。) 

 

海をめぐる問題は

1994年に発効された国連海洋法条約に基づいた「排他的経済水域」の存在にある。

(排他的経済水域とは:沿岸国は自国の沿岸から200海里(約370km)の範囲内の水産資源および鉱物資源などの非生物資源の探査と開発に関する権利を得られる。その代わりに、資源の管理や海洋汚染防止の義務を負う。)

 

海は宝の山。

 

今後、日本は、海から 自前のエネルギー源を 得られるようになる。

海底にあるメタンハイドレート(シャーベット状のメタンガス。手のひらに乗せると、すぐに気化)は日本での年間使用量の94年分が眠っており、

南海トラフでは今週から採掘が始まっている。
(下記、日経新聞記事参照)

2013/3/13 6:00
メタンハイドレート、愛知・三重沖に「濃集帯」 


沖ノ鳥島近辺の海底には、レアアースが日本で消費する量の230年分あるが、今は中国から購入している。

アメリカでも以前は採掘していたが、レアアースを鉱物から採取すると、放射性物質が飛び散り環境汚染の恐れがあるので、人道的見地から、アメリカは掘るのをやめた。

ところが中国は...

 

一方、海底のレアアースは、泥状なので、環境汚染を最小限で採掘可能。

ただ、ある場所が深い。

水深5300m

日本の技術革新で採掘可能となった。
中国国内でレアアースの利権を持っているものたちが、日本のレアアース採掘を阻止しようとしている。 
 

 

ロシアは「北極海航路」の開発に着手している。

近年の地球温暖化によって北極海の氷が少なくなったこともあり、安全な航行が見込める。

北回りの航路が早くて便利。

アジアとヨーロッパを、南回りの2/3の行程で運搬が可能

すでに147万トンの貨物が、この北極海航路で運ばれた。

 

南回りのスエズ運河航路は、アルカイダの勢力復活等もあり、
現在、危険な状態にある。

シリア、イエメン等々 政情が極めて不安定。

 

かつて、日本の港は ハブ港だった。

南回り航路だと、その行程で先に立ち寄る中国、韓国の港が 現在、ハブ港との役割を担っている。

しかし、北極海航路が確立されれば、日本の港がハブとなる。

 

ウラジオストックに入るには、津軽海峡を通らなければならない。

 

仙台港が大事な存在。

 

東北の新しい物流が出来てくる。

 

なぜ、ロシアが北方領土問題に前向きになってきたか?

サハリンにガス田がある。

日本と友好関係をつくり、シェールガスが普及する前に、サハリンのガス購入の長期契約を日本と結びたい。

 

開発に4兆円かかっているサハリンのガス田、買ってくれるのは日本

ロシアのガス利権は、メドベージェフ〜プーチンが握っている。

プーチン政権のうちに、ロシアの企業が日本で上場してほしい。

ヨーロッパは、EUで 手いっぱいだから、ロシアのめんどうを見ていられない。

 

北方領土にロシアがかけている予算は、1000億円。

国後島と択捉島に計画している2000m滑走路の空港、道路、学校、、

たった1000億円の予算で これらが出来るわけがない。

今、ロシアがやっているのは、見せかけの開発。

ロシアは、長いスパンで日本を取り込み、ロシア全域を守るためにも極東開発をおこなおうとしている。

 

ロシアは中国を恐れている。日本の力が必要。

 

当面は、サハリン周辺の密漁を阻止したい。

海の安全を守るために、ロシアは現在、9隻の国境警備艇を配備している。

これを日本がおこなうとか?

北方領土、まず、海を返してもらう。

ロシアの思惑と駆け引きしながら、北方領土を取り戻していくことが肝要。

 

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尖閣諸島問題について

 

尖閣諸島に、東京都が求めたのは、

避難時の船だまり

と、通信の基地を作ること の2点だった。

野田政権が国有化を急いだ。

 

尖閣諸島問題は、いわば、中国国内の政争に日本が巻き込まれた結果。

魚釣島 1992年、中国が領土に編入している。

無人島

2010年 公海管理地としている。両国にとって、無人島にかわりはない。

胡錦濤グループが尖閣諸島デモを反政府デモに仕立て上げた

 

江沢民と胡錦濤の政権争いに、旧野田政権が利用されてしまった。

なぜなら、野田政権に、威厳がなかったから。

700隻の大漁船団が、日本の領海内に侵入。

この行為は、東シナ海は中国の海なのだと全世界にアピールする目的だった。

 

侵入してきた船には、明確な威厳をもって対応すべき。


東シナ海は力では解決できない。

中国のベトナム=ミャンマーいじめが今年始まる。

尖閣諸島を一つでも失うと、東シナ海を失うことになる。

 

そのためには、尖閣諸島から沖縄トラフの海域を凍結。

⚫海洋保護区にすべし。

実は、世界の海の10%は、海洋保護区。

ここは、「海洋保護区」だと国際社会の場で宣言するべき。

 


日本は、東南アジアの国々と手を握り、東シナ海を守って行く。